台風が「毎年来る街」で、魚の煙が漂う終着駅——枕崎市がじわじわ話題な理由
台風が「毎年来る街」で、魚の煙が漂う終着駅——枕崎市がじわじわ話題な理由
「台風銀座」って、どういうこと?
SNSで「枕崎市」という名前を見かけて、正直最初は「かつおぶしの街でしょ?」くらいの認識しかなかった。でも調べてみたら、この街、思ってたより何倍も濃かった。
まず驚いたのが「台風銀座」という異名。枕崎市は鹿児島県に位置する人口約21,960人(2017年4月時点)の小さな街なのに、毎年夏になると日本の主要な島々に上陸する台風が、最初にこの枕崎周辺を直撃するケースが非常に多いらしい。「銀座」ってついてるくらいだから、もう常連中の常連ってこと。住んでいる方々はどんな気持ちで毎年夏を迎えるんだろう、と少し考えてしまった。
街に漂う、あの独特のにおい
枕崎といえばかつおぶし。これは知っていた。でも実態を調べると、想像を超えていた。
市内には約70もの小さな家族経営の加工業者が存在していて、年間を通じてかつおを茹で、切って、乾燥させて、燻製にするという工程を繰り返しているらしい。その結果、街の中心部から海へ向かって、蒸気と煙と魚のにおいが混ざった独特の香りが漂うという。
これ、観光で訪れた人の感想を読んでいると「最初はびっくりするけど、慣れると逆に落ち着く」なんて声もあって、なんかわかる気がする。毎日その香りの中で暮らしている人たちにとっては、もうそれが「街のにおい」なんだろうな。
このかつおぶしは、日本の味噌汁に欠かせないだしの素になる。世界中で日本食が広まっている今、枕崎の小さな家族業者たちが作り続けている乾燥魚のフレークが、実は世界の食卓とつながっているわけで。そう考えると、この74.88km²の小さな街が持つ存在感は、数字からは想像できないものがある。
日本最南端のJR終着駅、という静かな事実
もうひとつ、地味に刺さった情報がある。
枕崎市は、JRの鉄道路線として日本最南端の終着駅がある街なのだ。終着駅って、なんかロマンがある言葉だと思う。路線の果て、線路がそこで終わっている場所。観光地でも何でもないかもしれないけれど、「ここが終わり(あるいは始まり)」という特別感は、旅好きな人には刺さるはず。
実際、この駅を目的地にして訪れる鉄道ファンも少なくないと聞く。台風が来る街の、魚の煙が漂う、線路の終わり。なんかすごくドラマチックな組み合わせじゃないか。
1949年に生まれた街が、今も続いている
枕崎市が市として成立したのは1949年9月1日。戦後まもない時期に、この漁業と加工業の街は正式に「市」になった。人口密度は1km²あたり290人とそこまで高くはないが、かつおぶし産業という強烈なアイデンティティを持ち続けている。
過疎化や産業の衰退が叫ばれる地方都市が多い中で、70もの家族経営業者が今もかつおを燻し続けているというのは、正直すごいことだと思う。規模の経済とか効率化とか、そういう言葉とは少し違う次元で、この街の文化が生きながらえている感じがする。
一度、あの煙のにおいを嗅ぎに行きたい
調べれば調べるほど、枕崎市は「地味にすごい街」という印象が強まった。派手な観光スポットがあるわけじゃない。でも台風銀座という異名、かつおぶしの煙が漂うダウンタウン、日本最南端のJR終着駅——この三つが重なる場所って、ほかにどこにあるんだろう。
いつか行ってみたい街リストに、静かに追加した。
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